統計学はデータを理解し、現象を客観的に捉えるための強力なツールです。その中でも、**記述統計(Descriptive Statistics)と推測統計(Inferential Statistics)**は、統計学を学ぶ上でまず押さえておきたい2つの大きなカテゴリーです。これらは、それぞれが扱う目的・方法論・応用範囲に差異があります。本記事では、記述統計と推測統計の基本的な違いを、具体例を用いながらわかりやすく解説します。
記述統計は、その名の通り「記述」に特化した統計手法です。手元にあるデータ(標本)を対象として、そのままの情報をまとめ、整理し、特徴を明らかにすることを目指します。
ポイント:記述統計はあくまでも「いま手元にあるデータ」の特徴把握が目的です。例えば、アンケートを100名に行い、「その100名の平均年齢はいくつか」「分布はどのような形をしているのか」といった問いに答えるために用いられます。
一方で、推測統計は、限られた標本データから「母集団」(データを生み出す大きな集合全体)の特徴や傾向を推測・推定しようとする手法群です。標本は母集団全体の一部を抜粋したものに過ぎませんが、この標本から得られた情報を元に、母集団がどのような分布や傾向を持つのか、あるいは特定の仮説が正しいかどうかを判断します。
ポイント:推測統計は、「標本」という限られた一部のデータから、未知の母集団に関する推測を行うのが目的です。そのため、結果には常に誤差や不確実性がつきまといます。不確実性を明示するために、p値や信頼区間などを用いて、どれほど推測が「信頼できる」かも合わせて示します。
記述統計と推測統計は、しばしば統計分析のプロセスにおいて連動して使われます。
言い換えれば、記述統計は土台作り、推測統計はそこから踏み込んで未来や他の集団へと視野を広げるステップです。
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これら2つを理解することで、単なる数値の羅列から、より意味のある知見や結論を導くことが可能になります。統計学を初めて学ぶ際は、まず記述統計の手法でデータの基本的な性質を理解し、その後、推測統計によってデータの背後にある母集団や将来予測へと視野を広げていくと、統計学的思考をより有効に活用できるでしょう。
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