ロシアとの貿易、輸出管理の厳格化

貿易

 

令和4年2月26日、ウクライナ侵攻を受け、ロシア連邦向け輸出の禁止等に関する措置を含む外国為替及び外国貿易法に基づく措置について、閣議了解された。

その結果、国際輸出管理レジーム対象品目のロシア連邦向け輸出及び役務の提供について、審査手続きがこれまで以上に厳しくなる。

輸出管理が厳しくなる

何が変わるか?

運用通達の別表第1「輸出許可等事務の取扱区分」中、別紙の「輸出令別表第1貨物に係る許可事務の取扱区分」において、ロシアが「ち地域」に含まれることとなった。

これはどういう事かというと、ロシア向けの輸出は非常に厳しく管理されるという事です。

いつから変わるか?

令和4年2月26日(土)改正通達の公布

令和4年3月5日(土) 改正通達の施工

ち地域とは

アフガニスタン、イラク、イラン、北朝鮮、コンゴ民主共和国、スーダン、ソマリア、中央アフリカ、南スーダン、リビア、レバノン + ロシア(2022年3月8日執筆時点)

ロシア以外のち地域に所属している国を見ると、北朝鮮などが含まれていることからもロシアへの対応の厳しさが伺えます。

国際輸出管理レジーム

MECR(Multilateral export control regime)、通常兵器や大量破壊兵器の開発に用いられる汎用品等を管理する。

具体的には、工作機械などが該当する。

DMG森精機ではロシアでの工作機械の製造及びロシア向けの輸出を停止する決定をしております。

詳しくは下記ご参照ください。

ロシアにおける認証

EAC認証

ユーラシア経済連合(ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、アルメニア、キルギス)内で導入されている認証です。

日本からロシアに輸出をする際、EAC認証の取得が必要です。

EAC認証には適合証明と国家認証登録の2種類があります。

適合証明

目的:安全性の証明

取得者:輸入販売者(ロシアの法人)

国家認証登録

目的:安全性と品質証明

取得者:製造者(ロシア法人、国外法人)

つまり、日本の商品をロシアに輸入するためには、ロシア法人の販売代理店の協力を受け、EACの適合証明を取得する。あるいは、製造メーカーが国家認証登録を受けるか、どちらかが必要です。

大まかなイメージとして、国家認証登録の方が取得にかかる期間も長く、審査も厳しいです。

ただし、製造メーカーが国家認証登録を受けた場合、輸入販売者が変わってもロシアでの輸入ができるのに対し、ロシアの販売代理店が適合証明を取得し輸入した場合、他の代理店経由での種丹生の際は改めて適合証明の取得が必要です。

その他、総代理店を作るか、あるいは複数代理店で販売するかを検討した上で認証の取得が必要です。

GOST-R認証

GOSTとは、GOsudarstvenny STandart(国家規格)の略であり、かつてロシアではがGOST-R認証の取得が義務付けられていた認証。現在ではTR認証及びEAC認証に移行し廃止された。

EAC認証がユーラシア経済連合5ヵ国で有効であったのに対し、GOST認証はロシア国内でのみ有効である。

TR-CU認証

TR-CUとはTechnical Regulation of Custum Union(関税同盟国の技術規則)の略であり、技術規則に基づき検証された安全な商品に対する安全認証である。

TR認証は関税同盟諸国(ロシア、カザフスタン、ベラルーシ)で有効である。

まとめ

これまでロシア向けの貿易を行う上で、日本から商品を輸出するためには大きな苦労が強いられてきた。GOST認証の時代から、ロシア特有の認証を取得する必要があり、非常に高いハードルであった。

それに加えて今回のウクライナとの問題により、外為法での管理も厳しくなった。

BRICSの一角を担うロシアは魅力的な市場ではあったものの、当面は厳しい局面に立たされる事となる。1日も早く問題を解決し、日本との貿易が再開されることを願っています。