商品を発注する際には、後々のトラブルを回避するためにも品番、品名、希望納期等の項目を正確に記載した発注書の送付が必要です。
口頭でのやりとりのみだと、トラブルが発生した際に「言った言わない」問題が発生する可能性があるため、必ず発注書を発行することをお勧めします。
今回は、発注書の基本的なルールについてご紹介したいと思います。
発注書の作成
決まったフォーマットがあるわけではありませんが、下記のような必要最低限の項目については記載するようにしましょう。
海外へ送付する場合を想定していますので、英語での発注書の一例を紹介したいと思います。
下記の注文書を例に、記載する内容を説明します。
① 文書のタイトル
発注書を受け取る相手が何の書類が届いたのか分かるように書類の上部に「Purchase Order(発注書)」と記載します。頭文字を取って「PO」「P/O」と略されることもあります。
② 発注先
発注する相手方の名称、住所、電話番号を記載します。発注先の担当者名を記載する場合は「Attn: Mr.xxxx」と記載します。(Attnはattention(~宛)の略です。)
③ 発注者名
発注元の会社名、住所、担当者名、電話番号等を記載します。
④ 発注書番号・発注日
発注書毎に発注書番号を振っておくと管理がしやすく、納期の調整や出荷、支払い等においても発注書番号で話をすると発注先とのコミュニケーションがスムーズになります。
⑤ 発注内容
品番、品名、単価、発注数、合計金額等、出来る限り詳細に記載します。
品名は略さず正式名称で記載し、また品番やカラー展開がある場合は必ず記載します。
カートンへの入り数が分かる場合はそちらも記載しておくと、より一層誤出荷を防げます。
⑥ 備考
特筆すべきことがある場合はこの欄に記載します。
この例では、希望納期(Delivery Date)、取引条件(Trade Terms)、支払条件(Payment Terms)を記載しています。
希望納期(Delivery Date)
希望納期を記載しますが、場合によっては工場出荷日を指定することも出来ます。
工場出荷日を指定する場合は「Shipping Date:April 15, 2022」と記載します。
例えば、中国の工場から出荷する場合は、春節や国慶節の大型連休前後は貨物が混み合うため、希望納期を指定するよりも、予め本船の遅延具合を予想して出荷希望日を伝えるほうが、確実に希望納期までに貨物を受け取ることが出来る場合もあります。
→2022年、中国の休日は
の休日カレンダーを参照ください。
取引条件(Trade Terms)
外国との商業取引において、商品の危険負担や運送費用をどちらが負担するかを定めるものです。
輸送方法によって異なりますが、例えば船舶用の取引条件には次のものがあります。
FAS(Free Alongside Ship):船側渡
FOB(Free On Board):本船渡
CFR(Cost and Freight):運賃込
CIF(Cost, Insurance and Freight):運賃保険料込
詳細は別の記事でご紹介します。
支払条件(Payment Terms)
売買契約書で予め支払い条件を合意しているため、発注書に記載する必要がない場合もあります。信用状を用いない支払い条件にはNET30、NET60というような場合は多いです。NET30とは、商品発送(インボイス発行)から30日以内に支払うという条件のものです。
発注書の送付
発注書の作成が完了するといよいよ英語での発注書送付です。海外へ発注書を送付する際の例文をご紹介します。
① 件名
件名を発注書番号にしておくとスムーズにメール検索が出来るためお勧めです。
② 本文
下記の点を出来る限り短文で分かりやすく伝えるように記載します。
・添付の発注書を確認頂きたいこと
・商品の希望納期について
・もし不明点があれば連絡頂きたいこと
発注書を発行したあとは、発注内容や出荷時期が確認された証としてSales OrderやProforma Invoiceが輸出者側から発行されることがあります。もしそのような書類が発行されない場合も、発注書を確認して頂けたか、出荷時期等に問題は無いか、メールで確認するようにしましょう。
注文書の送付以降も含めた貿易全体の流れについては下記記事にまとめてありますので、こちらも合わせてご参照ください。
[blogcard url="https://tool-net.jp/flow-of-import/"]