【ものづくり】高精度、バリのない穴を開けるための穴あけ加工

ものづくり

切削加工の基本であり、奥が深い穴あけ加工。

ただ穴を開けるだけであれば気にする必要ありませんが、客先の指示で、高精度の穴あけが求められる時や恐怖の言葉「バリなきこと」これらと向き合う時こそ、基本に立ち返る必要があります。

ここでは高精度の穴あけを実現するための方法について紹介します。

穴あけ加工の工程

一言で穴あけと言っても、真直度、真円度、面粗度、穴公差、バリの有無など、求められるものは日に日に高精度なものになってきています。これをクリアするには、穴をあけるドリル加工の前後に工程を踏むことが必要になります。

まず、センタードリル、ドリル、リーマを用い、バリとりを行う工程について説明いたします。

工程1. センタリング加工

センタリングは位置決めとも呼ばれ、従来から用いられてきました。位置決めでもっとも原始的な加工はポンチ加工です。電気ドリルなど手持ちの工具や、ボール盤などで加工する場合は重要な工程です。しかし、フライス盤や旋盤などでは、位置決め用のドリルが使われます。位置決め用ドリルはセンター穴ドリルなどがあります。非常に短く、剛性のあるセンター穴ドリルによって、正確な位置に穴を開け、その穴をガイドとしてドリルの先端を沿わせて加工を行うことで、正確な位置に穴あけを行うことができます。また、傾斜面や曲面への穴あけの場合は、センタリング加工を行わないと位置決めはおろか、ドリルの折損にもつながりかねないので、必須になります。

工程2.ドリル加工

ドリル加工は主に、切削速度(V)、1回転当たりの送り(f)でコントロールされます。ドリルの材質や形状、被削材、穴深さなど、様々な要因をふまえ、切削条件を選択する必要があります。また、ドリル加工は、加工熱が上がりやすく、熱による不具合の可能性が高くなる為、切削油を用いて加工熱を抑えることが重要です。深穴の場合は加工熱の発生がさらに大きくなる為、「ステップ」と呼ばれる切り分ける方法が必要になる場合もあります。

工程3.バリ取り

ドリル加工直後は多くの場合「バリ」が発生します。

バリとは加工の際に発生した残留物が製品に付着したものを指します。

バリはとても鋭利なため、加工者のけがにもつながりかねないです。

バリは製品の安全性を悪化させるだけでなく、製品の精度にも影響を与えます。

以前であれば、製品の人が手を触れない場所はバリ取りが除外されていましたが、剥がれたバリが動作部に入りこむと、故障や摩耗につながるため、現在では、ほとんどの製品の図面に「バリなきこと」と記されています。

パイプの内側などの手が届きにくい場所のバリ取りは非常に困難で、人海戦術で行うケースも多く、コストがかかる加工です。

工程4.リーマー加工

リーマー加工は、ドリルなどによってあらかじめ開けられた穴の内径を、リーマー(リーマ)と呼ばれる工具を通すことで、所定の穴寸法に広げながら、滑らかな面できれいな円の穴を作る作業を指します。基本的には、穴の内径寸法や面の粗さ、真円度といった精度が要求される穴開け加工に多く使われる加工で、精度の高い施工ができる機械技術と熟練した操作が要求されます。

これら1つの工程を経て一つの穴が完成します。

ゼロバリドリルとは

これらを1工程で行えるドリルが「ゼロバリ」です。

ゼロバリの特徴1:センタリング機能

ゼロバリは、先端に特殊なシンニング加工を施しており、平面への位置決めはもちろん、傾斜面や曲面などにも抜群の食い付き性能で、高精度なミクロン台の位置決めを実現しました。

ゼロバリの特徴2:バリ取り機能

バリが出る主な原因は2つで、1つは、進行方向の負荷に耐えられず、ドリルが抜ける際に被削材が逃げてしまうことで発生します。

もう一つは、加工熱により被削材が溶けてしまい発生する場合があります。ゼロバリの先端形状は、「波形3D複合R形状」という複雑な構造になっており、負荷を徐々に回転方向へと移動させることが可能になりました。

これにより、進行方向への負荷はマイナスになるため、バリが出ないドリル加工を実現した。

また、加工負荷も一般的なドリルの1/4に抑えることができ、低回転で穿孔できるため、加工熱の発生も低減できます。

ゼロバリの特徴3:リーマー機能

前述で述べた2つの機能が備わっていることで、真円度や穴径の安定化が可能になりました。またドリル外周側も特殊な設計になっており、面粗度をキープしたままの穴あけが可能になりました。ゼロバリによる穴の精度は、使用環境にもよりますが、H7も実現可能です。

まとめ

上記のことから、「ゼロバリ」は、センタリングからリーマー加工までを1工程で行える、ハイブリットドリルとなっております。

しかし、高精度な穴に仕上げるには、ドリルだけでなく、切削条件はもちろん、チャッキングの振れや、被削材のクランプ状況など、様々な加工環境の整備が必要になります。


「本記事は株式会社ギケンの協力の下制作しました」
 

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